「人工衛星」

晴れた日。青空を見上げると、飛行機が白い軌跡を残して飛んでゆくのを
眼にする。なんの根拠も無いけれど「もしかしてラッキー?」って、
勝手に思う。チョト、バカッぽい。
 宵の口、瞬かない小さな白い星が空をスーッと横切るのを見た。
人工衛生だ。飛行機はライトを点滅させながらだいたい決まった航路を
飛ぶので、素人の私でも間違えることは…多分ない。
 ふと思う。例えば、もし、あれが国際宇宙ステーションなら、様々な国
から選抜され厳しい訓練を耐え抜いてきた優秀な宇宙飛行士たちが乗って
いて、類まれなる青い地球を見下ろしているはず。
例えば、もし、あれがハッブル宇宙望遠鏡ならば、惑星やブラックホールの
観測データを集めて地上へ送っているかもしれない。
 気づいた人はいるだろうか。周りを見回す。何が入っているのか、
大きな鞄やバッグを手に誰も彼もが家路を急ぐばかり。
私ひとりが呆けたように天を仰ぐ。
あなたは空を見上げることがありますか?