1月  オリオン座

オリオン座全体

1月中旬のある日。晴れ、強風、乾燥、激寒。椎間板ヘルニア患者には
ツラい夕方6時のウォーキング。それを尻目に、南東の空を獅子の皮を
携え棍棒を振り上げた大男オリオンが駆け昇ってゆく。
三つに並んだ星が目印だ。目線を左下に移せば小犬座の1等星
“プロキオン(犬のさきがけ)”が、右下を見れば全天一の光度を誇る“
シリウス(灼きこがすもの)”が大犬座の鼻先で青白く輝き、オリオン座の赤い星“ベテルギウス(わきの下)”と大きな三角形を作っている。
大人になっても憶えている学習のランキング・ナンバーワン(?)
「冬の大三角」である。街中では見られないけれど、
その中をとうとうと冬の天の川は流れている。…はずなのだ。ホントは。
オリオン座拡大
オリオン座のつづみのような形を縦にした時に、
時計まわりで、左上赤い星が“ベテルギウス”・
右上2等星の“ベラトリックス(女武者)”・
右下青白色の1等星“リゲル(左足)”・左下2等星“サイフ(剣)”
となるけど、日本ではオリオン座をその形のまま『鼓星』と呼び、
このうちベテルギウスとリゲルを旗の色に例えて
それぞれ平家星(赤)・源氏星(白)と言う地方もあるんだとか。
この平家星(=ベテルギウス)、太陽の700倍から1000倍の大きさで
伸び縮みするらしい。太陽の直径は地球の約109倍!ウハッ!
その太陽よりも何百倍も大きな恒星が、
あのちっちゃな赤い星だなんて…。宇宙って広い。
 オリオンの腰のあたり(つづみ形のくびれの部分)に並ぶ有名な
“三ツ星”は、左から“アルニタク(帯)”
“アルニラム(真珠の糸)”“ミンタカ(巨人の帯)”と呼ばれている。
資料によっては、『どれも「珠を散りばめた帯」を意味する』など
とも書かれていた。和名も沢山あるので、調べてみるのも面白いかも。
 他にも、一説にウルトラマンの故郷とも言われる“M78星雲”や、
縦に並んだ“小三ツ星(=オリオンの剣)”の真ン中にある
“M42オリオン大星雲”、肉眼では見られないけど馬の首の形をした
“馬頭星雲”などなど、オリオン座には見どころがいっぱい。
位置は自分で確認するべし。
さて、そもそも「オリオンて誰さ?」と思ったそこのアナタ。
私と共に、神話の旅に出ませう。
 オリオンは、ギリシャ神話に出てくる巨神族(=タイタン族)の
ひとり海神ポセイドンとアマゾンの女王エウリュアレとの間に
生まれたとも、大地ガイアの息子とも言われ、
その出生エピソードには色んなパターンがある。
 オリオンは大男で美男子だし狩りも上手だし
水の上を歩けたりもするのでモテモテ。その上、惚れっぽい。
大空をささえる巨神アトラスの七人の娘たち(※牡牛座のプレヤデス星団
参照)を何年間もストーカーし続けたり、キオス島の王女メロペーを
強引に我がものにしたために王であるメロペーのおとっつぁんに
目玉をくり抜かれたり、あげくの果てには月の女神アルテミスにまで
手を出そうとして怒りに触れ、彼女が送り込んだ大蠍に刺されて
死んでしまった(こちらも諸説あり)。
そんで、星になったわけだけど、以来、オリオンは蠍に恐れをなして、
蠍座が現れる夏のうちは決して姿を現さないんだそうな。