絵本「あくびのたね」

二人でアイデアを持ちより、話を練り上げ、絵本をつくる、

そんな試みに挑戦してみました。

心にとまった考えを何度もキャッチボールしたり、

お互いの文章を推敲したり、

でこぼこ道を手探りで進むようなワクワク感がありました。

思い描いていた絵本への道のりはまだまだ遠く、

今後どんなカタチで展開していくかも未定なのですが、

年齢をかさね、とりまく風景や想いが変わる中で、

ライフワークのように

創りつづけていければいいなと思ってます。

“あくびのたね”ってこんなおはなし。

お気に入りの丘にこしかけて、のんびりとはな歌をうたっているスノー。

しっとりあまい風がスノーのぬれた鼻をくすぐると、たまらず大きなあくびがひとつ。

 そのとき、とつぜんまっ黒いモジャモジャが目の前をよこぎり「パクッ」と鼻先で何かがとじる音が…。

「ケ、ケケケ…。こんなに“ゆったり味”がしみこんだうまいあくびはひさしぶりだねぇ。」

声の主は、まっ黒い巻き毛が自慢の“あくびくい”、

おいしい“あくび”をひたすら追いもとめる森の流れ者だったのです。

“あくびくい”はスノーのあくびをゴクリと飲み込むと、ぷっと何かをはきだしました。

そう、それは“あくびのたね”。あくびのたねからは、やがてつやつやひかるみどりの芽が…。

“あくびのたね”から巻き起こる騒動が、スノーと“あくびくい”のこころの距離をかえていきます。

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Copyright 1996 Matsumoto & Hoshino